授業でのパソコン通信の試み
http://abroad.dip.jp/~paris/paris-computer01.html
当時のFDからdataをUPしました。現時点とは相当違っています。 1992年4月に置き換えてお読み下さい。私が海外勤務を希望した動機の中に、パソコン通信を媒介とした教育活動にありました。地教委へ出した願書にも、パソコン通信のことを書き、提出しました。着任早々許可をもらってからパソコン通信をするように言われ、慌てて作ったのが下の許可願いです。
- パソコン通信の導入
- 中学部の技術・家庭科を1年から3年まで担当した。中学校では学習指導要領が赴任2年目より完全実施となっており、教科の内容においても、新しい分野がみられた。技術分野ではパソコンに代表される情報基礎である。赴任当初、パリ日本人学校に、パソコンは1台もなかった。また、週1時間の授業時数のため、思い切った教科内容の精選が必要であった。
- このような条件の元に、中1の1学期は情報基礎の導入として、パソコン通信の授業を試みた。許可願い及び大まかな計画は下記の通りである。
パリ日本人学校 ○○ ○ ○ 学校長 殿
平成4年4月27日 パリ日本人学校教諭 高知 太郎
中学部 技術・家庭科の授業に於けるパソコン通信の許可願い
下記の理由により授業でパソコン通信をすることを許可して下さるようお願い致します。
記
- 昨年の本校の家庭科担当教諭によれば、昨年1学期の技術・家庭科の授業字数は7〜8時間だったようである。
- 又、日本国内であれば、週2〜3時間の配当のところ本校は1時間である。そのため必然的に教科内容の精選が問題となってくる。
- 一方平成5年度から実施する学習指導要領をみてみると、技術・家庭科において情報処理基礎の項目が導入され、コンピューターの学習をすることになっている。指導書によれば、コンピューターを介した通信分野も学習する内容の一つに挙げられている。(「中学校指導書 技術・家庭科編」著作権所有 文部省 開隆堂出版 株式会社)
- 本校の生徒のほとんどは、コンピューターを持っておらず、コンピューターに対する知識が乏しいようである。そこで、技術・家庭科の授業(教材)として講義だけではなく、ビデオや実際の通信を実習・観察することにより、コンピュータに興味関心を持たせたいと思っている。
- コンピュータの導入として通信を選んだのは、フランスにはミニテルというパソコン通信を更に拡大発展させた方式が家庭に導入されており、ワープロソフトやBASIC
を学習するより、身近と判断したためである。授業中に生徒に聞いたところ各クラス2〜3名の家庭に入っていた。いわば、地域の特性を生かした教材といえるかも知れない。
- 具体的な方法は、TYMNETという世界最大の公衆パケット交換データ通信ネットワークを利用する。パリにあるTYMNET-FRANCE
公衆アクセスポイントへ接続し、そこから日本の各ネットへ入る。パリまでの電話代は学校負担になるが、パリ〜日本、日本の各種ネット
は○○教諭の個人負担とする。これは、今からパリ日本人学校の名義で手続きをすることも可能と思われるが使用できるまでかなりの日数が必要なためである。場所は電話が技術室にないので電話回線のある職員室及びそれに準じた場所とする。